ルネサンスから17世紀のヨーロッパ絵画を見ていると、人物や室内を彩るものとして、幾何学文様や植物文様を持つ美しい手織り絨毯がたびたび登場します。
現在では床に敷かれることの多い絨毯ですが、当時ヨーロッパへもたらされたオリエンタル・カーペットは、希少で価値の高い交易品でした。そのため、テーブルや家具、欄干の上に掛けたり、宗教画の中で聖なる人物の足元を飾ったりと、その美しさを見せるように用いられることも少なくありませんでした。こうした絨毯がヨーロッパへ渡った背景には、東西を結ぶ広大な交易網がありました。現在「シルクロード」と総称される交易路は一本の道ではなく、中央アジア、中東、アナトリア、地中海世界などを結ぶ陸路と海路からなる広大なネットワークでした。絨毯をはじめとする織物や工芸品も、こうした地域を結ぶ交易の中で移動していきました。
イスラム圏やアナトリアで織られた高級絨毯はヨーロッパへも輸出され、14世紀にはすでにヨーロッパ絵画の中にその姿を見ることができます。絵画に残された絨毯は、美術作品であると同時に、当時の交易や文化交流を知るための貴重な資料でもあります。
このページでは、15世紀から17世紀に描かれた名画を年代順にたどりながら、西洋絵画の中で絨毯がどのように描かれ、どのような存在として扱われてきたのかをご紹介します。











