カーディングで整えられた羊毛は、次に「スピニング(紡績)」によって糸へと生まれ変わります。紡績とは、羊毛を細く引き伸ばしながら撚りをかけ、一本の連続した糸にする工程です。
古代からの道具
もっとも古い道具は「ドロップスピンドル」と呼ばれるもので、新石器時代から使われてきました。棒の先に重りをつけ、それを回転させて撚りをかけるシンプルな仕組みです。15世紀ごろからはヨーロッパで「紡ぎ車」が使われ、効率的に糸が作られるようになりました。
経糸と緯糸の違い
- 経糸(たていと):織機に強く張られるため、長く整った繊維を2本以上撚り合わせた「双糸」にして強度を高める。
- 緯糸(よこいと):強さよりも柔らかさが重視され、ふんわりとした撚りが絨毯に優しい踏み心地を与える。
こうして紡がれた糸は染色され、いよいよ織りの工程へと進み、職人の手によって美しい絨毯となっていきます。