シールヴァン絨毯
シールヴァン絨毯は、アゼルバイジャン東部のシールヴァン地方で織られる、非常に貴重な伝統工芸品です。古くから地域の職人によって受け継がれてきた高度な織りの技術が息づいており、その高い芸術性と希少性から世界中の愛好家に高く評価されています。
シールヴァン絨毯の特徴は、シャープで力強いデザインと洗練されたモチーフにあります。菱形が連なるダイヤモンドモチーフや、生命の樹、星、フックモチーフなどが緻密に織り込まれ、細部に至るまで丁寧に表現されています。色彩は、深い藍色、鮮やかな赤、温かみのあるベージュ、アクセントとなる黄色や緑が絶妙に調和し、力強くも美しい印象を与えます。
素材には上質な羊毛が使用され、しっかりとした結び目によって非常に丈夫に織り上げられています。シールヴァン絨毯は、実用性だけでなく、空間に歴史と芸術的な趣を添える一枚です。近年では織り手が減少し、良質なシールヴァン絨毯はますます入手困難となっているため、コレクションとしての価値も非常に高まっています。